壊れゆく日本企業が再生するために──オリンパス元CEO、マイケル・ウッドフォードの直言

http://wired.jp/2012/05/31/olympus-scandal/

──かつてミートホープという会社で、社内で行なわれている品質表示の偽装を、当時の常務だった人物が暴露したことがありました。事件からどれくらい経った後かは覚えていないんですが、その元常務のインタヴューが夕刊紙に出ていて読んだのですが、それはもうみじめな生活を送っているというんですね。同僚や友人はもとより、親類、家族にまで見放されてしまい人生どん底だ、と。同じことがあったら、もう一度告発しますか? と問われて、彼は「絶対にやらない」と語っていました。つまり、内部告発をして「身内」を裏切るというのは、日本の社会ではとても罪深いこととされてしまうということのようなのです。

わたしがワシントンで出会った大物投資家は、こう言いました。「日本は民主的な先進国のように見えるかもしれないけれど、国や企業の透明性、コンプライアンスといったこととなると、まるでバナナ・リパブリック(おさるさんの共和国)だね」と。

第2次大戦以降、日本は、製品のディテールに驚くほどの執着を見せてきました。

──やや唐突な質問ですが、グローバル企業に限らず、そもそも会社というのはいったい誰のためのものだとお考えですか?